千葉大学教育学部とICT活用の共同授業をフォトレポート ~第3弾 小学校での実証研究~

こんにちは、広報の石川です。

第1弾アイデアソン第2弾ハッカソンに続き、1月25日と2月8日の2回実施した千葉大学教育学部附属小学校での実証研究の様子をフォトレポートします。取り組みの詳細については、アイデアソンの記事内にまとめてますので、そちらをご覧ください。

アイデアソン、ハッカソンを通じて制作した社会科、家庭科の4つの学習ゲームを実際の小学校の授業で教材として使ってみて、どのような学習効果があるのか研究するのが今回の実証研究授業の目的です。どれも非常に面白い作品でしたが、ここではハッカソンでの優秀賞受賞作「SHOW TIME」での例をもとにキーワード4点を説明したいと思います。

ハッカソン優秀賞受賞作「SHOW TIME」

この「SHOW TIME」は、家庭科の「被服」分野の知識獲得と多様な価値観の受容が狙いで、2人で1つの端末を使って協力してクイズに答え、正解数に応じて獲得した衣類をアバターに着用させる学習ゲームです。

 

キーワード① 協働学習

協働学習とは、グループ単位で課題を解決する学習形態。いわゆるグループワークではありますが、コミュニケーションなど対人関係に比重を置いて思考力・判断力・表現力などを育成します。文部科学省も重要視しているICTを活用した学習方法のひとつですが、実際の教育現場、特に小学校においては能力差などにより実現することが難しいと言われています。

アプリを囲んでの協働学習

この学習アプリでは、クイズに時間制限があり、間違えると時間も減ってしまうという工夫もされているため、自然とチームメンバーが協力する体制になっていきました。クイズの正解も表示されるため、複数人で一緒に学習することができます。

クイズを通じて学びます

夢中になると端末を占有してしまうもの。そんな状況への気遣いもあって、交代を促すような画面まで用意されていました。

細かいところにも協働学習を促す工夫が

 

キーワード② ダイバーシティ

ダイバーシティ、つまり、社会の多様な価値観を受け入れる、ということも学習アプリで学ぶポイントの一つでした。
このアプリでは、各チームが作ったコーディネートを最後にアルバムで共有、投票する時間を設けました。友だちが作ったものを見ることで、他の人の価値観を受け入れる学びに繋げています。

シェアされたコーディネートに「いいね♡」をつけます

 

キーワード③ ICTを活用し、工夫された授業

授業も、もちろん大学生が担当しました。
将来教師を目指す学生に、ICTを活用した授業ができるようになってもらう、というのも本授業では大事な要素になります。

授業では、学習アプリは教科書に代わる一つのツールとなります。児童が独自に進めることも大事ではありますが、それでは自習と同じ。学習アプリを使いつつ、遊ぶのではなく体型的に覚えられるような工夫が随所に取り入れられていました。SHOW TIMEでは、実際にアプリでコーディネート服を着たファッションモンスターが登場し、印象付けます。教室は大盛り上がり。この工夫ひとつで、児童の記憶には残ったことでしょう。

ファッションモンスターの登場に児童は大喜び

他の学習アプリでは、歴史上の人物まで出てきました。ここまで迫力があると、顔と名前を完全に覚えられますよね。(これは、クイズに答えながら歴史上の人物名を当てる、歴史の復習ゲーム「そちの名は。」で出てきたものです。)

インパクトがあって覚えやすいですね

 

キーワード④ 自分の役割を知る、協力することを学ぶ

担当されている藤川先生のインタビューの言葉にあったのを聞いて印象的だったのは、「アプリを作るにあたって、学生は役割分担をして取り組んできた」ということ。
絵を描く人、ストーリーを作る人、クイズを考える人、アプリを作る人、スケジュールを管理する人。全員が同じことをしても、一人がサボっても、プロジェクトは前に進めません。小学生だけではなく大学生も、本授業を通じて講義形式の授業だけでは経験できない協働学習を実践できたのではないでしょうか。

児童もアプリ操作とメモ係に役割分担

 

最後に

授業を受けた小学生の感想

直筆の小学生のアンケートです。
言ってほしかったことがすべて書かれていたので思わず載せてしまいました。
 「今までの授業ではわからなかったことがわかってよかった」
 「授業の復習になってよかった」
 「ゲーム形式でとても楽しく覚えられた」
伝えたいことをすべて感じて書いてもらえて、感動しました!

この授業を通じて、私自身も多くのことを学びました。
児童は素直なので、楽しいこと、つまらないこと、良かったこと、悪かったこと、何でも教えてくれます。大人からはもらえないような指摘もあったりして、学生にとっても刺激が多かったのではないでしょうか。

個人的には、この一連のプロジェクトに参加している大学生、エンジニアの姿勢にも驚きました。
単位は獲得できないけれども希望して受講(聴講)している大学生や、二回目の受講者が何人もいました。授業時間外を使っての作業も実際はたくさんあったと言います。しかし、参加する学生それぞれが、単位目的ではなく、自身の成長のために真剣に取り組んでおり、それだけ満足度の高い授業を共に作ることができていることを嬉しく思います。
また、弊社のエンジニアも本業のゲーム作りとは別に、土日のプライベートな時間などを使って本プロジェクトに携わってきました。完全なボランティア活動で、わざわざ有休をとって小学校での授業に参加しました。普段できない取り組みなので自主的にでも参加したい、携われてよかった、などと彼らが話しているのを聞き、感動していました。
文中で紹介した「SHOW TIME」は、実際のアプリとして一般向けリリースを予定しています(2017年春頃予定)。この活動には多くの人や時間がかかるため現在は千葉大学のみと取り組んでいますが、今後も弊社の強みや知見を生かした社会貢献の形である「ゲーム×教育」の取り組みを進めていければと考えています。今回の授業を通じても、改めて良い取り組みだと感じたので、長期的には「ゲーム×教育」の本施策をパッケージ化して横展開していくことも考えていけたらなと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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Author: Ayako Ishikawa